あいべ整形外科
肩の疾患shoulder

肩の疾患

肩の疾患

石灰沈着性腱板炎

石灰沈着性腱板炎とは、肩のインナーマッスルが骨につくところ(腱板)に石灰がたまる、原因不明の疾患です。痛みや肩の機能障害の原因となりますが、多くは自然に軽快する疾患です。

症状

石灰沈着性腱板炎による肩の痛みには、急性の症状と慢性の症状があります。急性の症状では、激しい痛みが急に生じ、肩をわずかにでも動かすことができなくなります。また、夜間に強く痛むために睡眠も十分にとれないことがあります。慢性の症状では、肩を動かした時の痛みが主な症状となります。

反復性肩関節脱臼

反復性肩関節脱臼とは、1度肩関節を脱臼したあと、繰り返しはずれるようになることを指します。特に若年層では一度起こるとクセになりやすいのです。

<症状>

脱臼する方向によりますが、前下方に脱臼する反復性肩関節脱臼では、外転・外旋する動作に不安感を持ち、肩関節前方の不安定感があり、同部に圧痛があることが多いです。脱臼すると、上腕はばね様固定となり、前下方脱臼では前下方に上腕骨骨頭を触れます。簡単に自分の力で整復できることもあります。

肩関節周囲炎(五十肩)

肩関節周囲炎とは、棚の物を取る、エプロンを結ぶといった日常動作の中で肩に痛みを感じたり、夜間冷えると肩の周囲が痛くなったり、といった症状が出現することがよくあります。50歳ごろに好発するため、肩の痛みと可動域(動かせる範囲)が制限される症状を伴うものを総称して、いわゆる「五十肩」と呼んでいます。

症状

初期は肩を動かしたとき、動きの最後で痛みを感じます。肩の動きが良いとテニスやゴルフなど運動が普通にできることも多いです。しかし、肩の動きが悪くなってくると、日常生活や運動に支障がでることがあります。肩の動きが悪くなるにつれて痛みが強くなってくるのが特徴です。

野球肩

野球肩とは、野球の投球動作、腕を大きく振る動作を繰り返すスポーツで生じる肩の痛みです。テニス・バレーボールのサーブ・スマッシュ等でも生じます。単純に過度な投球動作が原因となることが多いですが、体幹や股関節の柔軟性不足、肩や肩甲骨周囲の筋力不足、不適切な動作フォームなど、様々な要因も絡んでいます。

症状

関節包や肩関節に付着する腱や筋あるいは骨の損傷によるもので、損傷の部位によって、肩の前方や後方、時には上腕が痛みます。

肩こり

肩こりとは、病名ではなく、首から肩、背中にかけて筋肉がこわばり、「こっている」「張っている」「だるい」「痛い」などを引き起こす症状のことです。肩こりには、僧帽筋(頭と首と肩をつないでいる筋肉)が最も関係しています。この筋肉は重たい頭を支え、肩甲骨を動かす際に使われており、日常生活の中でもよく使われる筋肉の一つであります。筋肉は緊張している状態が長く続くと疲れて固くなります。この固くなった状態が続くことで「こり」や「痛み」が生じて肩こりとなるのです。

肩腱板断裂

肩腱板断裂とは、転倒して手をついたり、肩を強打したときに多く発生します。50才から60才代では自然に腱板が切れて肩が痛み出す場合があります。腱板とは肩の関節を安定させる働きをもった4つの筋肉の総称です。この筋肉の一部は肩関節の骨と骨の間にはさまれた所を通っていますので、使い過ぎによってすり切れることがあります。また老化によっても腱が弱くなり切れやすくなります。ですからケガなどのはっきりした原因がない場合でも、日常生活の中で腱板断裂がおこることがあります。

反復性肩関節脱臼

反復性肩関節脱臼とは、1度肩関節を脱臼したあと、繰り返しはずれるようになることを指します。肩関節脱臼は整復されると疼痛も緩和し、治ったかに思えますが、実は肩の前方にある靭帯と関節唇の制御機構が壊れています。

症状

肩を動かした際の不安感などを生じることがあります。脱臼すると、痛みと関節の不適合のため、脱臼した側の上肢を動かすことはできません。反復性の場合は、人によっては簡単に自分で整復できる場合もあります。