あいべ整形外科
膝の疾患knees

膝の疾患

膝の疾患

変形性膝関節症

変形性膝関節症とは、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)が接している「膝関節」に、痛みなどの症状が現れる疾患です。男女比は1:4で女性に多くみられ、高齢者になるほど罹患率は高くなります。クッションの役割を果たしている「軟骨」がすり減って炎症を引き起こし、痛みが生じます。

症状

初期では起床直後や歩きはじめなど動作の開始時のみに痛み、休めば痛みがとれますが、正座や階段の昇降が困難となり(中期)、末期になると、安静時にも痛みがとれず、変形(O脚、稀にX脚)が目立ち、膝がまっすぐに伸びず歩行が困難になります。
炎症によって関節液の分泌量が増え、いわゆる「水がたまる」という状態になるのも特徴のひとつです。

オスグッド病

オスグッド病とは、太ももの前面にある大きな筋肉が、成長しきっていない膝のお皿の下にある骨の一部を引っ張りすぎることで成長軟骨を剥離させてしまい、痛みや腫れが起こる疾患です。

症状

脛骨結節(お皿の下の骨)が徐々に突出してきて、痛がります。時には、赤く腫れたり、熱を持ったりします。休んでいると痛みが無くなりますが、スポーツを始めると痛みが再発します。スポーツを盛んに行っている、10歳~15歳くらいの男の子に起こりやすいのが特徴です。

O脚・X脚

O脚とは左右の踝(くるぶし)をくっ付けて立った場合に、膝と膝の間に2横指以上の隙間ができている状態を指します。一方、X脚とは両足の膝(ひざ)をつけた状態にすると、左右の踝(くるぶし)が接することなく、左右に開いてしまう状態を指します。生理的な変形と病的な変形に別れ、前者は治療の必要はないですが、後者の治療には保存療法と手術療法があります。

鵞足炎

鵞足炎とは、膝の鵞足と呼ばれる部位が炎症を起こしている状態です。鵞足とは、膝から5cmほど下がったすねの内側にあり、脛骨に縫工筋、薄筋、半腱様筋の3つがくっついている場所のことです。外見がガチョウの足に似ているという理由で鵞足という名前がつけられました。

症状

歩くと膝の内側が痛む、階段の昇り降りで膝の内側が痛む、椅子から立ち上がる時に膝の内側が痛むなどの症状があります。

腸脛靭帯炎

腸脛靭帯炎とは、主に長時間のランニングを行うことで膝の外側が痛くなってくる疾患です。腸脛靭帯炎の発症原因は必ずしもランニングに限定されませんが、ランニング動作でよく生じるため、“ランナー膝”ともいわれます。

症状

走る時や歩行時に地面に足が接地し体重が負荷されるときに出現する膝外側面の疼痛が主な症状です。ランニングを続けていると、痛みのために走れなくなることもあります。安静で軽快しますが、ランニングを再開すると症状が再発することも多いです。

ジャンパー膝

ジャンパー膝とは、膝の前方にある膝蓋腱や大腿四頭筋腱に炎症が起き、痛みや腫れを引き起こす疾患です。

症状

典型的な症状はジャンプや着地、長距離走行した際などに生じる膝蓋腱部(膝のお皿の下あたり)の痛みです。 そのため、思い切って跳べない、しゃがめない、全力で走れないなどのパフォーマンスの低下を訴えることが多くあります。

半月板損傷

半月板損傷とは、スポーツや事故などによる膝への大きな衝撃や、長年の負荷の蓄積、加齢変化などによって、半月板が傷ついたり、割れたり、ひびが入ったりしている状態のことをいいます。

症状

膝の曲げ伸ばしの際に痛みやひっかかりを自覚します。膝に水(関節液)がたまったり、急に膝が動かなくなる“ロッキング”という状態になり、歩けなくなることもあります。

膝靭帯損傷

膝靭帯損傷とは、交通事故やスポーツによって大きな力が加わり、膝の靱帯に損傷が生じることをいいます。膝には4つの靱帯があり、内側側副靱帯、外側側副靱帯、前十字靱帯、後十字靱帯に分けられます。内側側副靱帯と外側側副靱帯は膝の横方向への動き、前十字靱帯と後十字靱帯は前後方向への動きに連動しており、そこに無理な力が加わるとそれぞれの靱帯が損傷してしまいます。特に内側側副靱帯と前十字靱帯が損傷を受けやすい部位です。また非常に強い力が加わった場合は、複数の靱帯が損傷してしまう場合もあります。

症状

痛みや腫れ(関節内血腫)、うまく動かせなくなる等の症状が見られます。急性期を過ぎると痛み、腫れ、可動域制限はいずれも軽快してきます。しかし膝の不安定感が徐々に目立ってくることがあります。下り坂やひねり動作の際にはっきりすることが多く、不安定性を放置すると新たに半月板や軟骨の損傷を生じます。

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼とはお皿の骨(膝蓋骨)が脱臼してしまう疾患です。若い女性に多く、スポーツでジャンプの着地などの時に太ももの筋肉が強く収縮してはずれることが多く、はずれた時には膝に強い痛みや腫れを生じます。脱臼は自然に整復されることもありますが、整復されないときは病院での整復が必要です。

症状

新鮮例では膝関節の痛みや腫れが生じます。脱臼を繰り返す(反復性脱臼)ようになると痛みや腫れなどは軽減し、不安定感が残存します。

膝離断性骨軟骨炎

離断性骨軟骨炎とは、関節軟骨を支える軟骨下骨が、何らかの原因で壊死し、関節内の骨軟骨組織が損傷したりはがれたりする疾患です。膝関節や肘関節、足関節などに好発します。

症状

初期では軟骨片は遊離せず、運動後の不快感や鈍痛の他は特異的な症状は出ません。関節軟骨の表面に亀裂や変性が生じると疼痛も強くなり、スポーツなどで支障を来します。骨軟骨片が遊離すると引っかかり感やズレ感を訴えます。関節にはさまると膝がロックして動かなくなってしまいます(ロッキング)。