こんにちは、院長の相部和士です。
「洗濯物を干そうとしたら肩が痛い」「背中のファスナーが上がらない」「夜、肩が痛くて目が覚める」……。
40代から50代にかけて、このような症状に悩まされる方は非常に多くいらっしゃいます。これがいわゆる「四十肩・五十肩」です。
正式には「肩関節周囲炎」と呼びますが、一体どのような状態なのか、わかりやすく解説します。
🚨 四十肩・五十肩の正体とは?
肩の関節は、体の中で最も動く範囲が広い関節です。その動きを支えるために、関節の周りには筋肉や袋(関節包)などがありますが、加齢や疲労の蓄積によって、それらの組織に「炎症」が起きてしまうのがこの病気の原因です。
いわば、肩の関節の中が「火事(炎症)」を起こし、その後「焼け跡が固まってしまう」ような状態です。
🌡 症状には「3つの段階」があります
四十肩・五十肩は、時間の経過とともに症状が変化するのが特徴です。
1. 急性期(激しく痛む時期):
何もしなくてもズキズキ痛んだり、夜寝ている時に痛みで目が覚めたりします。無理に動かすのは禁物な時期です。
2. 慢性期(肩が固まる時期):
鋭い痛みは落ち着きますが、肩が固まってしまい、腕が上がらなくなります。着替えや入浴などの日常生活が不便になります。
3. 回復期(徐々に動く時期):
少しずつ痛みや動かしにくさが改善していく時期です。
💡 放置しないで、一度ご相談ください
「放っておけばそのうち治る」と思われがちな四十肩・五十肩ですが、自己判断は禁物です。
痛みを無理に我慢して放置すると、炎症が長引いて肩が固まったまま(拘縮)になってしまい、元の可動域に戻らなくなることもあります。 また、似たような症状でも「腱板断裂(肩の筋肉が切れている状態)」など、別の病気が隠れている場合もあります。
当クリニックでは、MRI検査などで状態を的確に診断し、以下のような治療を行っています。
◉注射や内服薬で、つらい痛みや炎症を早期に抑える
◉専門のリハビリテーションで、固まった肩をやさしくほぐし、動きを取り戻す
「たかが肩こり、歳のせい」と諦める必要はありません。スムーズに腕を動かせる快適な生活を一緒に取り戻しましょう。少しでも違和感があれば、お気軽にご相談くださいね。