肘の疾患
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
上腕骨外側上顆炎とは、肘の外側に痛みが現れる疾患で、スポーツのなかではテニスに関連する疾患であることから、「テニス肘」と呼ばれます。ものをつかんで持ち上げる動作やタオルをしぼる動作をすると、肘の外側から前腕にかけて痛みが出現します。多くの場合、安静時の痛みはありません。
上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)
上腕骨内側上顆炎とは、肘の内側にある上腕骨内側上顆に付着する筋肉を過剰に使うことで、その部位に炎症が生じる障害です。投球動作やテニス、ゴルフなどの繰り返されるスイング(ゴルフ肘)や、頻繁に重いものを持つ動作、手を捻る動作をする方に多く発症します。
肘部管症候群
肘部管症候群とは、肘で尺骨神経に圧迫や牽引などが加わって、生じる神経の障害をいいます。麻痺の進行により症状が異なります。初期は小指と環指の一部にしびれた感じがでます。麻痺が進行すると手の筋肉がやせてきたり、小指と環指の変形がおきてきます。
肘内障
肘内障とは、肘の輪状靭帯と橈骨頭がはずれかける、いわゆる亜脱臼を起こしている状態のことです。子供が手を引っ張られた後などに、痛がって腕を下げたままで動かさなくなります。
野球肘
野球肘とは、成長期にボールを投げすぎることによって生じる肘の障害のこといいます。投球時や投球後に肘が痛くなり、肘の伸びや曲がりが悪くなり、急に動かせなくなることもあります。
上腕骨顆上骨折
上腕骨顆上骨折とは、小児で最も頻度の高い骨折の一つです。5~10歳に多いとされています。小児が転倒して、肘の強い痛みを訴えたときはまずこの骨折を疑います。上腕骨とは肘から上の腕の骨で、上腕骨顆上骨折は肘に近い部分の骨折を言います。
変形性肘関節症
変形性肘関節症とは、運動や労働などにより肘の中の軟骨がすり減り、次第に骨が変形する疾患です。初期は肘に負担がかかると痛みがありますが、進行すると骨棘と呼ばれる骨の棘があらわれ、肘の動きが悪くなり、日常生活の動作でも痛みを感じるようになります。